この研究のポイント
2025年に発表されたこの系統的レビューは、2000年から2024年までの研究を分析し、子どもの発熱管理において親や養育者がどのように解熱剤を選択しているかを調査した。結果として、約64.3%の親がアセトアミノフェン(パラセタモール)を、約27.4%がイブプロフェンを使用していることが明らかになった。また、5歳未満の子どもに限定すると、それぞれ63.2%と29.8%の使用率であり、約20.3%の親が2つの薬剤を交互に使用していた。
どんな研究だった?
この研究は、0歳から17歳までの子どもの発熱を家庭で管理する親や養育者を対象とした複数の定量的研究を統合した系統的レビューである。MEDLINE、PubMed、SCOPUS、CINAHLといった医学データベースを用いて、2000年1月から2024年3月までに発表された英語の研究(または英語版がある研究)を検索した。病院での管理や医療従事者が直接管理した研究は除外され、家庭での実際の使用実態に焦点を当てている。2名の独立した評価者がJBI(Joanna Briggs Institute)の批判的評価ツールを用いて研究の質を評価し、データはExcelで抽出され、統計的メタ解析はJBI SUMARIソフトウェアで実施された。
なぜこの結果になったと考えられているか
論文では、親が薬剤を選択する際の要因として、効果の実感、安全性プロファイル、子どもの年齢や体重、投与のしやすさ、そして医療提供者からの推奨が挙げられている。アセトアミノフェンの使用率が高い理由として、歴史的に広く使用されてきた実績や、多くの国で第一選択薬として推奨されていることが考えられる。一方、イブプロフェンは比較的新しい選択肢であり、特定の条件下での使用が推奨される場合があるものの、親の認知度や信頼度がアセトアミノフェンほど高くない可能性がある。また、シロップ剤が好まれる傾向が見られたことから、子どもに飲ませやすい剤形が選択に影響していることも示唆されている。約20%の親が2つの薬剤を交互に使用している点については、より早い解熱効果を期待する親の心理や、誤った情報に基づく実践の可能性も指摘されている。
読み解く上での注意
この研究は系統的レビューであり、複数の研究をまとめたものだが、対象となった研究の質や地域によって結果にばらつきがある可能性がある。また、親の自己報告に基づくデータが多いため、実際の使用量や頻度が正確に反映されていない可能性もある。さらに、この研究は使用実態を調査したものであり、どちらの薬剤が優れているかを比較したものではない。交互使用についても、その安全性や有効性を検証したものではなく、実践の報告にとどまる点に注意が必要である。
日常への示唆
この研究は、子どもの発熱管理において親が重要な役割を果たしている現実を示している。薬剤選択は効果や安全性だけでなく、飲ませやすさや医療者からの情報にも影響されるため、かかりつけ医や薬剤師に具体的な使い方を確認しておくことは意味があるかもしれない。また、約20%の親が2つの薬剤を交互使用している実態から、「より早く熱を下げたい」という親の心情がうかがえるが、論文では適切な投与方法や誤解の解消が重要と指摘されている。発熱時の対応について、事前に医療者と相談し、年齢や体重に応じた適切な選択肢を理解しておくことが、より安心な子育てにつながる可能性がある。