多嚢胞性卵巣症候群は進化の遺産かもしれない
【ちょっと驚き】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の特徴は、太古の飢餓や感染症リスクへの適応だった可能性がある
生殖年齢女性に多い多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、高アンドロゲン血症・インスリン抵抗性・腹部脂肪蓄積を特徴とする内分泌疾患である。本論文は、こうした特徴が進化上の適応に由来する可能性を指摘している。具体的には (1) 食料不足と飢餓リスク、(2) 内臓脂肪による感染症リスクの軽減、(3) 筋肉量増加による利点、という3つの生存上の文脈で有利に働いた可能性があるという。一方で、排卵障害により生殖能力が低下するというコストも伴う。現代の肥満や低活動量といった環境とのミスマッチが、PCOSをより顕在化させていると考えられる。胎児期テストステロン曝露動物モデルなどの研究が、こうした進化仮説を支持する知見を提供している。
原典: PMID 41175095 (Endocrinology, 2025)